
人妻と青年の、許されざる純愛不倫――。僕は加賀拓未、24歳。
小さな商社で営業を担当する、ごく普通のサラリーマンだ。
今日は体調を崩して入院した先輩の代わりに、
取引先へ挨拶回りに出向いた。
受付で名刺を差し出すと、向こうの事務女性がふと顔を上げて――
息が止まった。そこにいたのは、小学校からの同級生のお母さん、裕子さんだった。
昔から本当にきれいで、優しくて、
子供の頃の僕は密かに憧れていた。
今でも変わらず、穏やかな笑顔と上品な佇まい。
歳を重ねた分、むしろ深みが増して、
胸が締めつけられるほど素敵だった。
それからというもの、必要以上にその会社へ足を運ぶようになった。
書類の確認だの、ちょっとした相談だのと理由をつけて、
裕子さんと少しでも話す時間が欲しかった。
でも、先輩が一ヶ月ほどで復帰することになり、
僕の「口実」はもうなくなる。最後の挨拶の日、
二人きりになった会議室で、僕は勇気を振り絞った。
「裕子さん…もう、こんな風に会えなくなると思うと、
すごく寂しいんです。正直に言います」裕子さんは少し驚いた顔をしたあと、
静かに目を伏せて、
「…私も、拓未くんが来てくれるのが、楽しみだったのよ」
その言葉が、僕の心を一気に溶かした。
そのまま、仕事終わりに連絡先を交換し、
「一夜だけ」という約束で、
誰も知らないホテルの一室へ。
ドアが閉まった瞬間、抑えていた想いが溢れ出した。
裕子さんの柔らかい唇、優しく包み込むような腕、震える声で囁く
「ごめんね…こんな私で」。
僕たちは、ただ互いを求め合った。
背徳の罪悪感も、未来の不安も、
その夜だけは全部忘れて。
絡み合う指先、熱い吐息、
「拓未くん…好き」
そう言って涙を浮かべる裕子さんの瞳に、
僕も同じ言葉を返した。
一夜限りのはずだった。
でも、あの夜の温もりが、僕たちの心に深く刻まれてしまった――。
これからも、きっと。
許されない想いを抱えながら、
二人だけの秘密を続けていくのだろう。


















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